体幹部の機能解剖学2

おはようございます、アスレティックトレーナーの青柳陽祐です。

先日、10月3日(金)は第2回スポーツトレーナー英語勉強会、『Functional Anatomy of the Core 2(体幹部の機能解剖)』を開催させていただきました。
第1回目のまとめ記事では、外腹斜筋、内腹斜筋と腹直筋の機能と、腹筋が器用な筋肉である理由についてお話をさせていただきました。

今回の記事は少し短めで申し訳ありませんが、勉強会の内容の一部をご紹介するかたちで、”腰方形筋の機能”についてお話をします。

今回の参考文献:

Functional Anatomy of the Core
http://chek.knowledgepress.org/

Phillips, S., Mercer, S., & Bogduk, N. (2008). Anatomy and biomechanics of quadratus lumborum. Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part H: Journal of Engineering in Medicine, 222(2), 151-159.
http://pih.sagepub.com/content/222/2/151.full.pdf+html

腹筋運動で腰痛?

quadratus-lumborum-muscle-fibers1

では、腰方形筋(QL:Quadratus Lumborum)の機能から確認してみたいと思います。

同側への体幹の側屈:右側のQLが収縮すれば右側に側屈する

体幹部の伸展:脊柱起立筋をアシストする

体幹部の回旋:外腹斜筋、内腹斜筋をアシストする

側屈をするためには伸展と回旋が必要です。
QLは脊柱起立筋の横にあるので、伸展がメインの作用だと勘違いしやすいかもしれません。

しかしQLが伸展筋になる理由は筋そのものの機能ではなく、胸腰筋膜等との繋がりによるものが大きいと考えられています。
体幹部の屈曲では外腹斜筋、内腹斜筋と腹直筋がメインで働きますが、ある条件下ではQLも動員されます。

体幹部(腰椎)の屈曲:

同側にある内・外腹斜筋が体幹の屈曲・回旋筋であるとき

または

腰椎の屈曲が最大限に近づくとき(両側のQLが屈曲をアシスト)

上のイメージはQLを後方から見たイメージですが、3層の繊維で構成されています。
献体解剖による研究では、QLの”Iliolumbar Fiber(緑)”と”Lumbocostal Fiber(赤)”がより、脊柱の安定に関与するとされていました。

『腹筋を鍛えようとして腰痛になってしまった』、という話を聞いたことがあると思います。
一般の人が考える腹筋運動のイメージは、『腹筋を割る』、『くびれを作る』、『お腹を引き締める』といったものだと思います。

しかし腹筋運動で脊柱・体幹部が動くときは絶えずQLが何らかのカタチで働いているので、やり過ぎは無意識に腰痛の原因を作っているとも考えられます…

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA