おはようございます、アスレティックトレーナーの青柳陽祐です。
2015年初の投稿となる今回は、改めて筋膜についての動画をご紹介します。
本編のテーマある、”筋膜の働き”ついて基本を復習したい方にはオススメです!
では動画をご紹介する前に筋膜ってどんなものか?
ちょっと書いておくと…
人間の身体はテントに見立てると、骨がポール、シートが筋膜などの結合組織で、ロープが筋肉である考えられます。
筋肉や他の結合組織が、多方向から骨を引っ張り合うことで骨格(フレームワーク)が成り立ちます。
もちろん軟部組織と筋肉だけではフレームワークが完成しないので、骨も当然ながら重要です。
別の表現だと筋膜は、着ている服で説明ができます。

筋膜を服に例えると…
http://rpm-therapy.com/wp-content/uploads/2012/04/fascial-web-of-pain-and-dysfunctionjpg.jpg
服ををつまんで引っ張ると、シワができる
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筋膜がストレスにさらされると、短縮したり癒着したりする
変形した部分をトリガーポイントと呼ぶこともありますが、その部分だけではなく周りの組織にも何らかの変形が起こるので、緊張や痛みの原因になることがありあります。
今回の記事では、時系列で内容を要約してありますので、パソコンの別ウィンドウで下記の動画リンクを開いて、要約を確認しながら観ても良いかなと思います。
では、ここからが要約になります…
冒頭
現時点では、腰痛全体の約20%でしか明確な原因は把握されていない。
残りの80%に関しては医師でも原因はよくわからないとされている。
レントゲンやMRIでは骨、神経や臓器の変形や異常は映像化されるが、結合組織(特に筋膜は)が鮮明に映し出されることは非常に少なかった。
(1:08) 四角で囲まれた部分の白い層が腰の筋膜
1:55~2:10 ロルファーDr. Schleipの話
患者にロルフィングの施術を行うと、症状が改善することがほとんどではあるが、なぜそうなるかと聞かれると、説明するための根拠は乏しい。
2:40~5:35 筋膜に関する研究
体にストレスが生じた際にある伝達物質が体内で生成され、筋肉がその物質に反応して収縮することは知られているが、その物質に対して筋膜は、筋肉から全く独立して収縮を起こす。
さらに筋膜には、筋繊維以上に神経終末や神経伝達物質受容体が集まっているので、痛みやその他異常に敏感である。
健康な腕(左側)と6週間ギプスを装着されていた腕(右側)から採取された筋膜を比べている。筋膜の縮み、裂けや癒着が筋膜自体の伸縮性や機能を低下させたり、不快感や痛みを感じさせて、腰痛の原因となっている可能性もある。
8:00~8:40 筋膜にはまだまだ分からない事が多い…
そもそも解剖の教科書を見ても、結合組織(特に筋膜)が鮮明に確認できる写真や絵がほとんどないので、筋膜に注目して勉強をすることはほとんどなかった。
2007年にボストンで初めて開催された、International Fascia Congress(国際筋膜学術大会)がきっかけで世界各地の専門家が結集し、筋膜に関する多方面からの本格的な研究が始まった。
8:41~12:38 筋膜の役目
筋膜に含まれている水分が全身にある細胞同士の潤滑油として働いている。
例えば、筋繊維は一本つづ筋膜で包まれており、筋膜がないと正常な筋収縮は起こらない。
結合組織の一種であり、各器官をあるべき場所にとどめてくれるネットのようなもの。
免疫システムの一部で、細胞の代謝物や細菌を除去する免疫細胞が含まれている。
12:58〜13:50 腰痛、筋膜とうつ病の関連性
身体にストレスが生じた際に体内で生成される伝達物質は、うつ病や睡眠障害を持つ方の体内でも多く、ある研究ではうつ病の人はそうでない人に比べて、腰痛を持っている率が約2倍になるとされる。
14:06〜18:17 動物はすごい!
カモシカ、サル、カエル、カンガルー、カメレオンなど多くの動物が人間より遥かに高く・素早く運動ができるのは、筋膜の特性である伸張性や弾力性を最大限に生かしているから。
19:55〜24:18 ドイツ代表サッカーチームPT、Eder氏の話
“You have to talk to the tissue.”
”あなたは、身体の組織に語りかけなければならない…”
“You have to play with it.”
”あなたは、身体の組織と戯れなければならない…”
“It melts under my hands.”
身体の組織が私の手の下で溶けてゆくのです…”
25:28〜 他の手技と筋膜について
紹介されている手法にそれぞれ違いはあるが、すべて筋膜に何かしらのアプローチをしている。
針治療で用いられる経絡図と筋膜に異常が起こりやすい箇所は約80%一致していた。
ヨガの効用として患部の痛み軽減が挙げられるが、直接の原因は呼吸や瞑想によるものではなく、各種ポーズによる全身のストレッチ効果である可能性もある。