こんにちは、アスレティックトレーナーの青柳陽祐です。
とうとう12月も半分に差し掛かったところでしょうか…
今日はカフェインのお話をさせていただきます。
皆さんの周りでは、スポーツの前にエナジードリンクを飲んでいる選手はいませんか？
私の周りで飲んでいる選手に話を聞いてみると、”カフェインで気合を入れる”といった回答が目立ちました。
身近にあるカフェインを多く含んだ飲料には、炭水化物（ほとんどは砂糖）も多く含まれています。
血糖値のことを考えると、エナジードリンクを飲むんだったら、試合前の食事にブラックコーヒーを１〜２杯加えたほうが良いと思っています。
利尿作用による脱水状態が心配なら、水分補給をしっかりすれば済むことです…
ただ、エナジードリンク商品の見た目やイメージ、などを含めたプラシボ効果も決して無視はできないので、最終的には選手本人の責任をもって判断してもらっています。
そこで今回は、カフェイン入り飲料がどのように身体に影響するか？”という疑問についての専門家の議論ご紹介します…
今回の参考資料：
Medicines in my Home: Caffeine and Your Body
http://www.fda.gov/downloads/UCM200805.pdf
Van Dongen, H. P. A., and G. A. Kerkhof. “Effects of caffeine on sleep and cognition.” Human Sleep and Cognition, Part II: Clinical and Applied Research 2 (2011): 105.
http://www.researchgate.net/publication/51087521_Effects_of_caffeine_on_sleep_and_cognition/file/32bfe50dd8268177b2.pdf
カフェインの影響
カフェインの身体への影響ってどうなの？http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Health_effects_of_caffeine.svg?uselang=ja
カフェインの摂取は方法に関わらず、身体機能に影響を与える可能性があり、IOCの規定では、カフェイン濃度が尿1ml中に12μg（マイクログラム：100万分の12ｇ）以上になるとドーピング検査で陽性になるそうです。
一般的なコーヒーでは約1.6L分を飲むとこの規定に触れるようですが、さすがにここまで運動前に飲む人は少ないと思います。
ただ１カップ分でも身体への有益な効果が確認されたり、一方では習慣的なカフェイン摂取者と、そうでない人への影響に顕著な差がみられなかったとされることもあります。
カフェインの影響は個人によってまちまちなので、大切な試合でのパフォーマンス向上を目的とした摂取は、カフェインの自身への影響をきっちり把握していない限りオススメはできません。
Ⅱ型糖尿病(後天性)のリスク低減
カフェイン入りコーヒーは短期的に身体のグルコース耐性を低下させるため、糖尿病のリスクを高めるとされています。
またカフェインによってインスリンの働きが一時的に抑制される場合があるので、炭水化物の多い食事と共にコーヒーを飲むのことは、糖尿病の可能性がある方は避けた方が懸命かもしれません。
コーヒーの身体への影響を考慮するのも大切ですが、活動的なライフスタイルを習慣化するほうが、糖尿病に限らずあらゆる病気のリスクを低減させるのに有効なことは間違いないと思います…
カフェインでやせる？
一般的にカフェインには、身体の熱生産性、脂肪分解・代謝性を促進する効果が認められ、肥満でない人が一日6カップのコーヒーを飲むと、約１００kcalのカロリー消費増加があるとされています。
またカフェインレスコーヒー摂取にも減量効果を認める研究も存在するため、コーヒーに含まれる他の成分の働きも考慮すべきですが、いずれにせよ生活習慣の改善を抜きに減量をするのは無理があります。
コーヒーに含まれる成分
コーヒーはお茶と同等の抗酸化物質やマグネシウムなどのミネラルを多く含み、長期間のマグネシウム摂取とⅡ型糖尿病のリスク低減には関連があるようです。
しかし、サプリメントから抗酸化物質の過剰摂取は、トレーニングによる負荷への身体適応プロセスを阻害する可能性もあります。
普段の食事から多種多様な栄養素を取り入れることが、身体にとって良い選択であると思います。
