体幹部の機能解剖学1

おはようございます、アスレティックトレーナーの青柳陽祐です。

最近は真夏の暑さから開放され秋めいてきたように思います。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

今回は体幹部の機能解剖学について書かせていただきます。
この内容は先日、金曜日に行ったトレーナー英語勉強会でもお話させていただきました。
前回の記事では、筋肉の機能は解剖学的肢位からの動きだけ見ていても理解できないということを説明しました。
それを今回は腹筋(外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋)で解説してみたいと思います。

今回の参考文献:

1. Functional Anatomy of the Core
http://chek.knowledgepress.org/

2. Recruitment of Internal Oblique and Transversus Abdominis Muscles During the Eccentric Phase of the Curl-up Exercise
http://ptjournal.apta.org/content/67/8/1213.full.pdf

3. Is Muscular Activity Level during Abdominal Bracing Trainable? A Comparison Study between Bodybuilders and Non-Athletes
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3918563/pdf/jssm-13-221.pdf

屈曲と回旋について

photo-1 12.18.25 PM

まず腹斜筋と腹直筋(便宜上このあとは”腹筋”と記述します)の機能として代表的なのは、肋骨から骨盤の間を屈曲する動作ですが、腹筋が機能するときに…

”骨盤が固定されていれば骨盤の後傾”
”体幹部が固定されていれば腰椎の屈曲”[1]

というように、機能に違いが出てきます。

また腹筋は体幹部の側屈と回旋にも大きく関わります。
側屈は起始と停止部を確認していただけると分かりやすいですが、回旋については意外に混乱しやすいものです…
上の絵をみながらイメージをしてみましょう。

”内腹斜筋はポケットに手を入れるように収縮する”
”外腹斜筋はポケットから手を出すように収縮する”

このような関係性をイメージしておくと、絵のように腹斜筋が収縮すると身体は右に回旋することになります。

腹筋は器用?

腹筋がなかったらどうなるのか?

腹筋がなかったらどうなるのか?

また腹筋には…

”外力から腹腔に入っている臓器を保護する鎧になる”
”呼吸筋が十分に働かなくなった際に強制排気をアシストする”
”外力に対する脊柱・体幹部の安定”

といった機能もあります。

特に腹筋はコンセントリック収縮で機能することも大切ですが、エキセントリック・アイソメトリック収縮もかなり重要です。
例えばタックルの時に腹筋が無ければ、簡単に相手に倒されたり、状況によっては足首、膝などのケガにもつながりかねません…

上記のような機能を考慮すると、腹筋は器用な筋肉であるということができます。
腰椎の屈曲・側屈・回旋をしながら、体幹部を安定させて呼吸筋にもなる、といった具合です。

理由は腹筋の神経支配を確認してみると、わずか3つの筋肉に、肋間神経(T5〜T12)、腸骨下腹神経(T12〜L1)、腸骨鼠径靭帯(L1〜L2)[2,3] と実質10本の神経が通っていることになります。

この体幹部の機能解剖学については、こちらの勉強会でもお話をしています。

スポーツトレーナー英語勉強会『Introduction to Anatomy and Physiology』

次回は9月19日(金)となります。
解剖学を何故学ぶのか?理由を知りたい方には、ぜひオススメの勉強会です。
青柳ももちろん参加しますので、ブログの内容についてディスカッションしたい方もお待ちしています。

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