大腿骨の角度と下肢アライメント

おはようございます、アスレティックトレーナーの青柳陽祐です。

今週は大腿骨の角度について復習し、それが下肢アライメントに与える影響について考えてみました。

今回参考にしたブログ記事はこちらになります…

Hip Anteversion – Assessment and Implications for Strength and Conditioning Programs
http://www.ericcressey.com/hip-anteversion-assessment-strength-and-conditioning-programs

Talking about hip retroversion
http://b-reddy.org/2013/05/09/talking-about-hip-retroversion/

大腿骨の角度について

まずは頚体角(けいたいかく: Angle of Inclination)について…

頚体角(Angle of Inclination)

頚体角(Angle of Inclination)

頚体角は上のイメージのように、大腿骨の骨幹部が骨端部(骨頭&骨頚)に対してどのような角度で付いているのかということを表しています。

成人の頚体角は、通常約130°(イメージ左)となり、個人でも年齢によって少しずつの変化がみられですが、内反股(右:約120°以下)、外反股(中:約140°以下)と呼ばれる状態になってしまうこともあります。

外反股と内反股

外反股と内反股

上のイメージを見ていただくと、頚体角の大きさによって下肢アライメントに影響が出そうな気がしませんか?
さらに詳しく見るために、次は捻転角(ねんてんかく: Angle of Torsion)について取り上げてみます…

捻転角(Angle of Torsion)

捻転角(Angle of Torsion)

捻転角は大腿骨を上から見下ろした時に、骨幹部が骨端部に対してどのくらい傾いて付いているかを表しています。
通常、骨幹部は骨端部は約12~15°前捻していますが、捻転角がこれ以上になると前捻股、これ以下で後捻股となります。

実際に前捻・後捻股共にそれほど多く見かけることはありませんが、これらの状態は股関節の回旋可動域に影響を与えてしまいます。
通常の股関節内旋と外旋の可動域は共に約40〜45°となっていて、合計すると約80〜90°になりますが…

前捻股:過度の内旋可動域+外旋可動域の制限

後捻股:過度の外旋可動域+内旋可動域の制限

という問題が起きてしまいます。

実は、肩甲上腕関節と股関節の内外旋可動域の関係性には共通点があります…
それは、”内旋・外旋いずれかの可動域が増えるともう一方は減り、内外旋可動域の和は変化しない”ということです。
野球のピッチャーの内外旋可動域の変化がよく挙げられる例で、これは投動作に対して身体が適応したみなすこともできますが、股関節回旋可動域の極端な変化は好ましいことではありません…

下肢アライメントについて

下肢アライメントのイメージ

下肢アライメントのイメージ

ここで内反・外反股と前捻・後捻股が下肢アライメントに及ぼす影響についてまとめてみました。
今回は下肢アライメントを2つのパターンで考えています…

イメージ左:骨盤前傾、股関節内旋(内反股・前捻股)、膝関節内旋、外反変形と過伸展(反張膝、内股・X脚:Knock Knees)、下腿部内旋、足部の回内(偏平足)

イメージ右:骨盤後傾、股関節外旋(外反股・後捻股)、膝関節外旋と内反変形(がに股、O脚:Bow Legs)、下腿部外旋、足関節の回外(ハイアーチ)

これは全てに当てはまるわけではありませんが、知っておくと動きの問題の根本がどこにあって、どのようなことをするべきなのか見当を付けやすくなります。
青柳が股関節について改めて学び始めたキッカケは、”ウェイトトレーニングでスクワットをやっていて、なぜもも前だけ疲れやすいのか?”という疑問から始まりました…
今回は静的アライメントのお話をさせていただきましたが、次回以降は股関節の評価法や前捻・後捻股への対策、エクササイズでの工夫をまとめていく予定です…

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